
B型肝炎ウイルスの感染経路・治療方法とは?
2025.11.26
B型肝炎ウイルスってどうやって感染するの?
B型肝炎ウイルスは主に血液や体液を介して感染します。同じ空気を吸ったり、触ったり日常的な接触(触れるなど)だけで感染することはありません。
1. 垂直感染(乳幼児の感染:母子感染)
B型肝炎ウイルスに感染している母親(キャリア)の血液が、出産時に赤ちゃんの体内に入ることで感染します。
2. 水平感染(主に成人後の感染)
以下のような原因でB型肝炎ウイルスが体内に入ることで感染します。
- 輸血
- 注射針の使い回し(薬物注射など)、刺青(タトゥー)、ボディーピアス、(医療機関などでの)針刺し事故など
- 性的接触など
B型肝炎ウイルスに感染するとどうなるの?
成人になってからB型肝炎ウイルスに感染した場合(水平感染)は、多くの場合、ウイルスは体の外に排除されます。しかし、感染が持続することもあるため、定期的な検査が推奨されます。
一方、母子感染によって乳幼児期に感染した場合は、免疫系の働きが未発達なため、ウイルスを排除することができず、約90%の方が無症状のまま感染が持続します(キャリア化)。この状態を「無症候性キャリア」と呼びます。「無症候性キャリア」の子供が成長し、免疫系が発達すると、自身の免疫系がウイルスを排除しようとB型肝炎ウイルスに感染した肝臓を攻撃し始めます。その結果、肝臓に炎症が起き、キャリアの10~15%がB型慢性肝炎に移行します。
B型慢性肝炎は自覚症状がほとんどありませんが、治療せずに放置すると肝硬変へと進行し、年間1.2~8.1%の割合で肝がんを発症する可能性があります。
なお、B型慢性肝炎にならなかった85~90%の方は、感染状態は続くものの、体内のウイルス量は少なくなり、肝臓の炎症が抑えられた状態になります。この方々は「非活動性キャリア」と呼ばれます。非活動性キャリアの状態でも、ウイルスは体内に存在しており、気付かないうちに活動が活発になる可能性があるため、引き続き定期的な検査が推奨されています。
B型肝炎ウイルスはどんな治療をするの?
抗ウイルス治療は、日本では2000年以前はインターフェロン(注射薬)による治療のみでした。しかし、2000年に核酸アナログ製剤(飲み薬)が登場したことで、治療の選択肢が広がりました。これにより、副作用などでインターフェロンが使えなかった高齢の患者さんや、インターフェロンで十分な効果が得られなかった患者さんにも、適切な治療を提供できるようになりました。
1. インターフェロン(注射薬)
ウイルス感染時などに体内で作られる蛋白質の一種です。抗ウイルス作用や免疫を高める作用により、B型肝炎ウイルスの活動を抑制します。
- 投与の仕方 :注射
- 薬を使用する期間 :24~48週
- 副作用 :発熱などインフルエンザ様の副作用が高頻度に出現
- 治療効果が得られる場合:20~40%
2. 核酸アナログ製剤(内服薬)
B型肝炎ウイルスの遺伝子(DNA)合成を阻害することで、ウイルスの増殖を抑 制します。DNAの材料となる物質(核酸)に似た構造を持つため、「核酸アナログ」と呼ばれます。
- 投与の仕方 :経口
- 薬を使用する期間 :長期間(基本的に飲み続ける)
- 副作用 :少ない
- 治療効果が得られる場合:非常に高率
治療の目的は?
B型慢性肝炎治療の最大の目標は、肝硬変や肝がんの発症を予防することです。そのためにB型肝炎ウイルスの排除を目指しますが、現在の最先端の治療をもってしても、ウイルスを完全に排除することは容易ではありません。
したがって、現実的な治療目標として、B型肝炎ウイルスが体内で増えるのを抑制し、肝臓の炎症が抑えられた状態(鎮静化)を維持することを目指します。
に戻る
